SNS運用代行の契約終了で困らないためには、終了日の約1カ月前を目安に、アカウント、素材、編集データ、投稿履歴を一覧にし、受け取り後の動作確認まで終えることが大切です。受け取りだけでは不十分です。
運用会社を変更する企業や自社運用へ切り替える担当者に向けて、抜け漏れを防ぐ確認手順を解説します。切り口は、契約終了時によく起きる失敗と、その防ぎ方です。
契約書を終了直前に見直すと、返却範囲で行き違う
最初に確認したいのは、成果物の所有者と返却範囲です。撮影した元動画、編集プロジェクト、投稿文、サムネイル、分析資料が、すべて同じ扱いとは限りません。制作費を支払っていても、第三者の音源や写真、フォントには別の利用条件が付く場合があります。
契約書、
- 返却されるデータと返却されないデータ
- ファイル形式、保存先、受け渡し期限
- 契約終了後も使える素材の範囲
- 有料素材や音源の利用条件、再編集の可否
- 未公開企画、予約投稿、修正中データの扱い
曖昧な項目は、終了日まで待たず書面で確認します。「素材一式」のようなまとめ方を避け、ファイル名や数量まで分けると認識のずれを減らせます。
管理権限を移す前に担当者を外すと、ログインできなくなる
順番が重要です。運用会社の担当者を先に削除し、自社側に十分な管理権限が残らない失敗があります。SNS本体だけでなく、広告、公式LINE、予約投稿、分析、リンク管理など、連携先も確認します。
各サービスの権限追加機能を使い、個人のIDとパスワードの共有を避けるのが基本です。画面名や権限名は変更されることがあるため、終了時点の公式案内に沿って操作してください。
- 会社が管理するメールアドレスを所有者または最上位の管理者にする。
- 復旧用メールアドレスと電話番号が自社のものか確認する。
- 二段階認証を自社端末で設定し、予備の復旧手段を保管する。
- 新担当者がログインし、投稿作成、分析閲覧、広告確認ができるか試す。
- 確認後に運用会社の権限を外し、不要になった共有情報を更新する。
権限を外す日と担当者名も記録します。自社の管理者は可能なら2名以上にし、1名が不在でも復旧できる状態を確かめます。複数ブランドを運営している場合は、別アカウントを誤って削除しないよう、表示名、URL、識別情報を照合しましょう。
完成動画だけでは、次の担当者が修正を続けられない
完成動画を再生できるだけでは足りません。テロップ変更や短尺への再編集には、完成前の情報も必要です。受け取り時には次の項目を確認し、フォルダ構成をそろえます。
受け取るデータの具体例
- 撮影日と企画名が分かる元動画、写真、音声
- 投稿済みと未公開を区別した完成動画
- 編集アプリのプロジェクト、使用フォント、効果音の情報
- 台本、投稿文、ハッシュタグ、サムネイル
- 素材の出典と、契約終了後に使える範囲
共同編集機能がある編集アプリでは、チーム領域へ移す方法が実務的です。そのうえで、対応するアプリ名と版、必要な追加素材、フォルダ構成を記した控えも受け取ります。別環境で代表的なプロジェクトを二つほど開けるか確認すると、リンク切れやフォント不足を早めに見つけられます。
投稿履歴と分析データは、閲覧権限があるうちに保存する
数字も大切な資産です。投稿そのものがSNS上に残っていても、制作意図や数値の推移までは次の担当者に伝わりません。投稿一覧には、投稿日、URL、企画、尺を記録します。さらに、訴求内容、使用素材、修正理由と、投稿ごとの到達数、保存、クリック、問い合わせなど、確認できる指標を残します。
分析データを出せる期間や項目は、サービスや契約プランによって異なります。終了日の数値を基準として書き出し、集計条件と取得日も添えてください。画面のスクリーンショットだけに頼らず、取得できる場合は表計算で扱える形式も残すと比較しやすくなります。
削除した投稿、炎上対応、表現上の注意、反応がよかった切り口も記録対象です。数字だけでなく「なぜ直したか」が残ると、次の担当者が同じ失敗を繰り返しにくくなります。
終了日当日の一括移管を避け、段階的に検収する
一日で済ませないのがコツです。進め方の一般的な目安は、終了4週間前に対象一覧を確定し、2週間前までに権限追加とデータ共有、最終週に動作確認と不足分の再依頼です。終了日には、双方で確認済みの一覧を保存し、その後に旧担当者の権限を解除します。
検収では、次の担当者が自分の端末でログインできるか、下書きを保存できるか、素材と編集プロジェクトを開けるか、投稿一覧と受領件数が合うかを確認します。公開操作や広告配信は、引き継ぎテストとして無断で実行せず、下書きや閲覧の範囲で確かめましょう。
最後に、未納品、確認中、対象外を分けて記録します。受領確認をメールなどで残せば、「渡したはず」「受け取っていない」という後日の行き違いも防ぎやすくなります。
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