DXの取組み
株式会社
1. 経営ビジョンと、デジタル技術活用の方向性
私たちが置かれている環境の変化
当社は、SNS運用代行・動画制作・ホームページ制作を主業とし、あわせて静岡市内で自社の店舗運営と韓国美容の代理店事業を営んでいます。
この10年で、私たちの業界の「お客様との出会い方」は根本から変わりました。かつては店頭・紙媒体・人づての紹介が中心でしたが、現在はショート動画とメッセージアプリが最初の接点です。同時に、人材の採用も同じ経路に移りました。集客と採用の入口が、どちらもスマートフォンの中に移ったというのが、当社が直面している最大の環境変化です。
この
リスク
- 店舗ごとに担当者の勘と経験で集客・採用を行っていると、成果が人に依存し、担当者が替わると数字が落ちる
- 来店・予約・応募の記録が店舗ごとにバラバラだと、どの発信が売上につながったのか誰にも分からない
- 店舗運営では個人情報(お客様・従業員)を多く扱うため、情報の取り扱いを誤ると事業そのものが止まる
機会
- 発信から来店・応募までを一本の線でつなげて記録できれば、「どの投稿が何人を連れてきたか」を数字で判断できるようになる
- 自社の店舗で確かめた方法を、そのままSNS運用代行のサービスとしてお客様に提供できる
経営ビジョン
「勘と
私たちは、接客の温かさは人にしかできない仕事だと考えています。だからこそ、人がやらなくてよい仕事(記録・集計・報告・単純な連絡)をすべてデジタルに任せ、人は接客に集中できる会社をつくります。
デジタル技術活用の方向性
上記のビジョンを実現するため、当社は次の3つの方向でデータとデジタル技術を活用します。
- 入口から成果までを1本の番号でつなぐ — SNSの投稿、プロフィールのリンク、公式LINEの友だち追加、来店・予約・応募までを、同じ識別番号で追跡できる状態にします。感覚ではなくデータで「効いた発信」を選びます。
- 店舗の記録を1か所に集める — 各店舗のPOS(販売時点情報管理)・公式LINE・勤怠の記録を、店舗ごとの帳面ではなく共通の仕組みに集約し、経営が同じ画面で全店を見られるようにします。
- 繰り返しの作業を自動化し、人を接客と企画に戻す — 投稿の原稿づくり、求人媒体への掲載、日々の集計といった反復作業を自動化し、生まれた時間を接客品質と新しい企画に振り向けます。
2. DX戦略(具体的に何をするか)
2-1. 取組みの中身
取組A:集客・
各SNSアカウントのプロフィールに置くリンクを、直接の宛先ではなく当社の計測用リンクに統一します。これにより「どのアカウントの・どの投稿を見た人が・何人リンクを押し・何人が公式LINEの友だちになったか」を投稿単位で記録します。記録した数値は店舗別・アカウント別に集計し、経営会議で毎月確認します。
活用するデータ: SNSの投稿ID/リンクのクリック数と時刻/公式LINEの友だち追加数/店舗の来店・予約件数/求人への応募件数
取組B:各店舗の
各店に導入しているPOSと公式LINEの記録を、店舗ごとの手書き・表計算ソフトでの管理から、共通のデータベースへ移します。これにより、日次の売上・客数・在籍スタッフの稼働を、経営が翌日には同じ形式で確認できるようにします。
活用するデータ: 店舗別の売上・客数・客単価/スタッフの出退勤/お客様からの問い合わせ内容と対応状況
取組C:反復作業の
投稿用の台本づくり、求人媒体への掲載更新、日々の数値集計といった、判断を伴わない反復作業を自動化します。自動化した処理は必ず人が結果を確認する手順とセットで運用し、機械任せにしません。
取組D:自社で
上記A〜Cで自社の店舗を対象に検証した運用手法を、SNS運用代行・制作サービスとしてお客様に提供します。自社で成果を確かめてから外に出すことを原則とします。
2-2. 段階的に進める計画
| 段階 | 時期 | やること |
|---|---|---|
| 第1段階 | 2026年度 | 計測用リンクを全アカウントに導入し、記録が実際に貯まっていることを確認する。店舗POSと公式LINEの記録の集約先を1つに決める |
| 第2段階 | 2027年度 | 集めた記録を店舗別・アカウント別に集計して毎月の経営会議へ出す。反復作業の自動化を順次広げる |
| 第3段階 | 2028年度 | 自社で確かめた運用手法を、外部のお客様向けサービスの標準手順として整える |
3. 推進体制と人材の育成・確保
3-1. 体制
- 最終責任者: 代表取締役 大畑 愛海(Ami)。DXの方針決定と投資判断を行います。
- 推進体制: 代表取締役が主宰する経営会議を意思決定機関とし、ここでDX方針・投資・成果指標を決定します。
- 実行: SNS事業部門と各店舗の店長が実行を担当し、システムの構築・保守は開発の受託先と連携して行います。
- 確認の頻度: 毎月1回、経営会議で数値の確認と次の手当てを決めます。
3-2. 人材の育成・確保
- 育成: 店長・スタッフに対し、公式LINEの運用、POSの操作、数値の読み方の社内研修を実施します。外部研修・助成制度も活用します。
- 確保: SNS運用・動画編集の担当者を継続的に採用します。採用の入口自体もデジタル化(求人媒体の自動掲載・公式LINEでの応募受付)しています。
- 役割の明確化: 「誰がどの数字に責任を持つか」を店舗・アカウント単位で決め、担当者が替わっても引き継げるよう手順を文書に残します。
3-3. 外部との協業
システムの開発・保守は外部の開発事業者と連携して行います。自社で抱え込まず、必要な専門性は外部と組んで確保する方針です。
4. ITシステム環境の整備
- クラウドを基本とする: 店舗のPOS・公式LINE・顧客管理・電子契約は、自社に機械を置かないクラウド型を基本とし、店舗が増えても同じ仕組みをそのまま使えるようにします。
- 記録を1か所にまとめる: 同じ情報が複数の場所にバラバラに存在する状態をなくし、正となる置き場所を1つに決める運用にします。
- 古い仕組みの置き換え: 紙・表計算ソフトで個別管理されている業務を洗い出し、順次クラウド上の仕組みへ移します。
- 投資の考え方: 大きな一括投資ではなく、1店舗・1業務ずつ試して、効果が出たものだけを全店に広げる進め方を取ります。国の補助制度も活用します。
5. 成果を測る指標
| 種類 | 指標 | 考え方 |
|---|---|---|
| 企業価値創造に係る指標 | SNS経由での来店・予約に由来する売上高、およびSNS運用代行事業の売上高 | デジタル活用が売上にどれだけ寄与したかを見る |
| 効果を評価する指標 | 1名採用あたりにかかった費用/日次の集計・報告にかかる作業時間 | 自動化と計測でどれだけ手間と費用が減ったかを見る |
| 進捗を評価する指標 | 計測用リンクを導入したアカウント数/記録が実際に貯まっているアカウント数/記録を共通の仕組みに集約した店舗数 | 計画がどこまで進んだかを見る |
指標の運用ルール: 「数値が0件」と「まだ測れていない(計測不能)」を必ず区別して記録します。測れていないものを0と書かないことを、社内の決まりとしています。
6. 代表取締役からのメッセージ
私が接客の仕事を通じて学んだのは、「お客様が何を求めているかを言葉にできた人が勝つ」ということでした。これは保険営業でも、店舗の接客でも、SNSでも同じです。
一方で、私たちの業界は長いあいだ、その大事な判断を担当者の勘に任せてきました。誰かが辞めれば数字が落ちる。なぜ落ちたのかも分からない。私はこれを、自分の会社で終わりにしたいと思っています。
だから当社は、人にしかできない接客に人を集中させ、それ以外の記録・集計・連絡はすべてデジタルに任せる会社を目指します。まずは自分たちの店舗で、発信から来店・応募までを1本の線でつないで数字にします。うまくいったやり方だけを、お客様にサービスとしてお届けします。
数字は人を冷たくするものではありません。どこに気持ちを込めるべきかを教えてくれるものです。私たちはその考えでDXを進めます。
2026年8月17日
株式会社