経営者の人柄を前面に出すTikTokは親近感を生みやすい一方、企業公式と混在すると、誰の発言なのか、問い合わせをどこで受けるのかが曖昧になりがちです。
大切なのは、流行に合わせて形だけ分けることではなく、発信の目的、管理する人、見込み客の次の行動を先に決めることです。二つのアカウントを安全かつ成果につながる形で設計する方法を解説します。
結論は原則分ける。ただし運用できる体制を優先する
経営者個人のTikTokと企業公式アカウントは、原則として分けるのがおすすめです。個人アカウントは経営者の価値観や経験を伝え、企業公式は商品・サービスの判断材料を届けるなど、視聴者が期待する役割が異なるからです。
一方、分けた結果どちらも更新できなくなるなら逆効果です。創業直後で出演者も運用担当者も経営者一人という場合は、まず一つで始め、投稿が継続できる体制が整ってから分ける方法もあります。
分ける判断に使える三つの質問
- 経営者個人の考えと、会社としての正式見解を区別する必要があるか
- 将来、経営者以外の社員や採用担当者も投稿する予定があるか
- 個人宛てと会社宛ての問い合わせを別の担当者が受けるか
一つでも当てはまるなら、早い段階で分けたほうが、引き継ぎや問い合わせ管理をしやすくなります。
発信内容は「人への共感」と「会社への信頼」で分担する
アカウントを分けても、同じ動画をそのまま二か所へ投稿するだけでは役割が伝わりません。経営者個人は人への共感、企業公式は会社への信頼を育てるという軸を置くと、企画を判断しやすくなります。
経営者個人で伝えやすい内容
- 起業した理由や事業に込めた考え
- 意思決定で迷ったこと、失敗から学んだこと
- 業界の変化に対する個人の見解
- 社員や顧客と向き合う姿勢
企業公式で伝えやすい内容
- サービスの流れ、料金の考え方、対象となる顧客
- 導入事例や利用者の声を、許可を得た範囲で紹介する投稿
- よくある質問、申し込み前の注意点、サポート体制
- 採用情報、社内制度、組織としての取り組み
たとえば経営者個人が「なぜこのサービスを始めたか」を語り、企業公式が「相談から利用開始までの流れ」を説明すると、興味から比較検討へ自然につなげられます。なお、経営者個人の意見を会社の保証や正式回答のように見せないため、表現の確認基準も決めておきましょう。
権限設計は退職・端末紛失まで想定して決める
投稿内容と同じくらい重要なのが、アカウントの所有者と管理権限です。会社の情報を発信していても、登録メールアドレスや認証手段が経営者個人のものだけでは、担当変更時に運用を引き継げない恐れがあります。
開設時に記録しておく項目
- アカウントの所有者が個人か会社か
- 登録メールアドレスと認証用電話番号の管理責任者
- 投稿、コメント返信、分析、設定変更を行える担当者
- 端末紛失や退職が起きた場合の権限停止手順
- ログイン情報を保管する場所と更新履歴
企業公式は会社が管理できる連絡先で登録し、日常の投稿担当と最終管理者を分けると安全性が高まります。経営者個人のアカウントでも、会社案件を継続的に扱うなら、緊急時の連絡先と引き継ぎ範囲だけは文書化しておくと安心です。利用できる管理機能はアカウントの状態や仕様変更で異なるため、実際の管理画面で確認してください。
問い合わせ導線は入口・受け皿・担当者を一組で設計する
動画が見られても、次に何をすればよいか分からなければ問い合わせにはつながりません。各アカウントからの導線は、入口、受け皿、返信担当者の三点を一組で決めます。
- 入口:動画内や投稿文で「料金を見る」「事例を見る」「相談する」など、次の行動を一つに絞る
- 受け皿:公式サイト、問い合わせフォーム、LINE公式アカウントなど、目的に合う窓口へ案内する
- 担当者:誰が、どの時間帯に、何を確認して返信するかを決める
経営者個人のコメント欄やメッセージに相談が来た場合も、個人の端末だけで抱えず、企業側の窓口へ引き継ぐルールを用意します。「お名前、相談内容、希望する連絡方法」など最初に確認する項目をそろえると、担当者が変わっても対応品質を保ちやすくなります。
さらに、個人アカウントと企業公式で案内先を分ける場合は、流入元を判別できる専用ページや選択項目を用意します。閲覧数だけで判断せず、相談件数、商談につながった件数、よく聞かれた質問を月単位で見直すと、発信内容と導線を一緒に改善できます。
二つのアカウント設計に迷ったらご相談ください
経営者の魅力と企業の信頼性は、競わせるものではありません。それぞれの役割を決め、同じ問い合わせ対応へつなげることで、認知から比較検討まで一貫した発信になります。
株式会社ネクステでは、TikTokやInstagramの動画企画から、LINE公式アカウントを含む問い合わせ導線まで、事業と運用体制に合わせて整理しています。自社ではどこまで分けるべきか迷っている方は、SNS運用の無料相談からお気軽にご相談ください。