SNS運用代行を解約するとき、投稿を止めないことと同じくらい重要なのが、権限・素材・データを自社に戻すことです。引き継ぎが曖昧なままだと、ログインできない、過去動画を再利用できない、成果を比較できないといった問題が解約後に表面化します。
大切なのは、解約日当日にまとめて受け取るのではなく、契約内容を確認し、一覧化し、実際に自社端末で開けるところまで確かめることです。ここではTikTok・Instagram・LINE公式アカウントを中心に、実務で使える確認順を解説します。
まず解約日から逆算して引き継ぎ表を作る
最初に、媒体名、対象アカウント、受け取るもの、受取担当者、期限、確認結果を一つの表にまとめます。口頭で「すべて渡します」と合意しても、広告アカウントや編集データなど、担当者ごとに管理場所が違うものは漏れやすいためです。
契約書と発注書では、アカウントの帰属、制作物の著作権、納品範囲、解約予告期間、データ返却の方法を確認します。不明点は、解約日の直前ではなく、一般的には数週間の余裕を持って書面で整理すると安全です。
- 契約書で所有者と納品範囲を確認する
- 媒体・素材・データごとに担当者と期限を決める
- 受領後、自社の別端末でログインと閲覧を試す
- 不足分を解約日前に再依頼する
アカウント権限はログイン情報だけで判断しない
IDとパスワードを受け取っても、それだけで引き継ぎが終わるとは限りません。運用会社側の管理環境にアカウントがひも付いている場合、自社が最高権限を持っているか、運用会社を外しても機能が残るかを確認する必要があります。
媒体別に確認する管理範囲
- TikTok:投稿アカウント、ビジネス管理機能、広告アカウント、連携先の権限
- Instagram:Instagram本体、連携するFacebookページ、事業用管理環境、広告・計測機能
- LINE公式アカウント:管理者権限、応答設定、リッチメニュー、配信設定、外部ツールとの連携
登録メールアドレス、電話番号、二段階認証、復旧手段も自社管理に切り替えます。担当者個人の連絡先ではなく、退職や異動があっても管理できる会社用の連絡先を使い、可能であれば社内の管理者を複数名決めておくと属人化を抑えられます。
動画素材は完成品と編集可能データを分けて受け取る
公開済み動画だけでは、字幕の修正、縦横比の変更、別媒体への再編集ができないことがあります。完成動画に加え、契約上の納品対象であれば、撮影した元動画、画像、台本、字幕原稿、音声、サムネイル、編集プロジェクトを分けて受け取ります。
ただし、制作に使った音源、写真、フォント、出演者の肖像には利用条件があります。「ファイルがある」ことと「自由に再利用できる」ことは同じではありません。利用可能な媒体、期間、広告利用の可否、第三者への再編集依頼の可否を契約書や許諾記録で確認してください。
- ファイル名と投稿日が対応しているか
- クラウド共有の期限と保存容量に問題がないか
- 元データを実際に再生・展開できるか
- 未公開素材と公開済み素材を区別できるか
- 出演・音源・素材の利用条件が残っているか
分析データは数値だけでなく定義も残す
フォロワー数や再生数の最終値だけでは、次の担当者が改善を続けられません。投稿別の表示回数、視聴維持、保存、反応、プロフィール遷移、問い合わせなど、実際に運用判断へ使った指標を、取得期間とともに受け取ります。
媒体の画面で見られる期間や出力仕様は変わることがあるため、解約前に取得しておくのが安全です。集計表だけでなく、可能な範囲で元の書き出しデータ、月次報告書、投稿一覧、計測用URLの対応表も保存します。
次の担当者へ渡したい判断材料
- 指標の名称、計算方法、集計期間
- 反応が良かった投稿と、その理由についての検証記録
- 成果が伸びなかった施策と、次に試す改善案
- 問い合わせから成約までの集計方法
- 投稿頻度、企画方針、承認手順、返信ルール
最終日は削除より先に受領確認を行う
運用会社の権限を先に削除すると、設定の確認や不足データの再取得が難しくなります。まず自社の管理者権限、ログイン、素材の展開、分析データの閲覧、予約投稿、外部連携を確認し、その後に不要な権限を外します。
最後にパスワードの変更、不要な端末や連携アプリの解除、二段階認証の再設定を行い、実施日と担当者を記録します。予約中の投稿、対応途中のコメントや問い合わせ、広告の配信状態、LINEの自動配信も確認し、「止めるもの」と「継続するもの」を明確にしてください。
解約後も続けられる運用体制を一緒に整理します
良い引き継ぎは、データを受け取るだけでなく、翌日から誰が何を判断するかまで決まっている状態です。株式会社ネクステでは、TikTok・Instagram・LINE公式アカウントを横断し、動画制作から配信設計まで、現在の権限や運用状況を整理したうえで支援します。
他社からの切り替えや自社運用への移行で、何を確認すべきか迷っている場合は、現状が分かる範囲からSNS運用の無料相談をご利用ください。無理に契約を進めるのではなく、残すべき資産と次の運用方法を一緒に整理します。